2026年10月23日、店舗の集客支援を行う会社が、学習塾向けに「学習塾探しの『AI活用』調査レポート」を無料で公開しました。保護者を対象にした調査で、塾探しでAIを使った保護者は5割を超え、入塾先の決定にも影響している、としています。
「近くでおすすめの個別指導の塾は?」。これまでならGoogleで検索していたことを、AIに聞く。そういう保護者が出てきています。では、AIで塾を探した保護者は、そのあと何を見て入塾を決めているのか。そして塾は、何を整えておけばいいのか。リリースに載った図表と、Googleの公式の説明をもとに整理します。
この記事の内容は動画でも解説しています。塾の集客はAI検索でどう変わる?|保護者の塾探し調査と、塾が整えたい3つの情報(YouTube・Edu-Biz/8分36秒)

先に、数字の読み方
今回の数字は、店舗の集客支援を行う会社が2026年10月23日に公開した、保護者向けの調査(回答1,000人)によるものです。図表に「AIを使っていない」という選択肢がないため、この1,000人は塾探しでAIを使った保護者の回答とみられます。この記事の割合は、すべて「AIを使った保護者のうち」として読んでください。冒頭の「5割超」はリリース本文の表現で、正確な数字と母数は書かれていません。
調査の時期や方法は、リリースには記載がありません。また、集客のサービスを提供している会社自身の資料です。数字はひとつの目安として見ていただくのがよいと思います。
保護者は、どのAIを使っているのか

塾探しで使ったAI(複数回答)で一番多かったのは、Google検索の結果の一番上に出てくる「AIによる概要」で52.8%。次がGoogleの「AIモード」で52.5%。ChatGPTが42.0%、Geminiが24.7%と続きます。
注目したいのは、GoogleのAIが上位の2つを占めていることです。AIによる概要か、AIモードのどちらかを使った人は77.3%でした。
つまり保護者は、特別なAIのアプリを開いているというより、いつものGoogle検索の中で、AIの答えを見ている。そう考えると、AIでの塾探しは、一部の人だけの話ではなさそうです。
AIが紹介した塾に、入塾しているのか

「最終的に入塾を決めた塾は、AIから紹介された塾でしたか」という質問に、「はい」と答えた人は64.2%でした。AIを使って塾を探した人のおよそ3人に2人が、AIが名前を挙げた塾に入塾していたことになります。
ただし、ここは慎重に見ておきたいところです。AIが紹介した塾の中には、もともと保護者が知っていた塾や、地域でよく知られた塾も含まれていると考えられます。AIの紹介が入塾の理由だったとまでは、この数字だけでは言えません。
それでも、AIの答えに名前が出てこない塾は、そもそも比べる候補に入りにくくなる。ここは押さえておいてよい点です。
AIの答えのあと、95%が調べ直している

今回の調査でいちばん大事なのは、この数字だと考えています。AIの答えを見たあと、別の情報源で調べ直した人は95.0%。「調べ直していない」と答えた人は5.0%でした。

調べ直した先(複数回答)は、塾の比較サイトが51.3%、Googleマップ(クチコミ・写真・基本情報など)が42.2%、塾の公式ホームページが39.2%、SNSが31.8%、動画サイトが24.4%でした。

AIは塾を知る「入口」で、入塾を決める「決め手」は、そのあとの調べ直しにある。保護者はAIの答えを、そのまま信じているわけではありません。
そして調べ直す先は、比較サイト、Googleマップ、ホームページ。どれも、これまでの塾の集客で大事にされてきた場所です。
塾が整えたい3つのこと
では、塾は何をしておけばいいのか。新しい「AI対策」を探すより先に、次の3つを見直しておきたいところです。
1. Googleビジネスプロフィールを最新にしておく

Googleマップに出てくる塾の情報は、Googleビジネスプロフィールから表示されています。Googleの公式ヘルプでも、地域の検索で見つけてもらうためのヒントとして、住所や営業時間、業種などをできるだけ正確に入力して最新に保つこと、写真を載せること、クチコミに返信することが挙げられています。
塾で古くなりやすいのは、季節講習の時期の営業時間、休校日、対象の学年や教科です。保護者が調べ直したときに古い情報が出てこないか、一度見直しておきたいところです。
2. 比較サイト・Googleマップ・ホームページの情報をそろえる

保護者は、いくつもの場所を行ったり来たりしながら確かめています。塾の名前や住所、電話番号、授業の形や料金の考え方が、サイトによって違っていると、それだけで不安になります。
どこを見ても同じ情報が出てくる。これが信頼の土台になります。開校時に登録したまま、何年も見ていない比較サイトのページがないかも確かめておきましょう。
3. ホームページに「この塾を選ぶ理由」を文字で書く

Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、追加の要件や特別な最適化は必要ないとしています。通常の検索で大事にされていることが、そのまま当てはまるということです。そのうえで、重要な情報はテキストで示すことを勧めています。
チラシの画像を貼っているだけでは、調べ直す保護者にも、検索やAIにも、中身が伝わりにくくなります。どんな生徒に、どんな指導をしているのか。成績の変化や面談の様子、料金の目安。保護者が知りたいことを、ふだんの言葉で、文章で書いておく。それが、AIにも人にも伝わる情報になります。
まずは、AIに自分の塾を聞いてみる

もう1つ、すぐにできることがあります。保護者と同じように、AIに聞いてみることです。「地域の名前」と「塾 おすすめ」、「個別指導 中学生」などで、Googleの検索やChatGPTに聞いてみてください。
- 自分の塾の名前が出てくるか
- 出てきたとき、どんな塾として紹介されているか
- 情報が古かったり、間違っていたりしないか
保護者が最初に目にするのは、その答えです。
まとめ
- 塾探しで使われているAIは、GoogleのAIによる概要(52.8%)やAIモード(52.5%)が中心。どちらかを使った人は77.3%で、ふだんの検索の中でAIの答えを見ている
- AIを使った人のおよそ3人に2人(64.2%)が、AIが紹介した塾に入塾していた。ただし、AIの紹介が理由とまでは言えない
- AIの答えのあと、95.0%が別の情報源で調べ直していた。調べ直した先は、比較サイト51.3%、Googleマップ42.2%、公式ホームページ39.2%
- 塾が整えたいのは特別なAI対策ではなく、Googleビジネスプロフィールを最新にすること、どこを見ても同じ情報にそろえること、選ぶ理由を文字で書いておくこと
探し方が変わっても、保護者が最後に確かめているのは塾の中身です。その中身を、きちんと伝わる形にしておく。そこが、これからの集客の基本になるのだと思います。
参考資料
- 株式会社カンリー「【無料レポート公開】保護者の5割以上が塾探しでAIを利用!」(PR TIMES・2026年10月23日)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google でのローカル検索結果のランキングを改善する」
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
この記事は塾にどう効くか
指導の中身が変わる話ではなく、集客の入口の話です。AIの答えのあとで保護者が調べ直す先は、比較サイト・Googleマップ・ホームページで、どれもこれまでの集客で使ってきた場所です。
新しいAI対策を探す前に、すでに出している情報が最新で、どこでも同じになっているかを見直すのが先です。
保護者への説明材料になるか
直接の説明材料にはなりにくい話です。保護者から「AIでどう探されていますか」と聞かれることは、まずないからです。
ただ、保護者が調べ直すときに見ている情報(対象の学年や教科、授業の形、料金の目安、面談の様子)は、問い合わせや面談の前に抱えている不安そのものです。ホームページやGoogleマップでそこに先に答えておけば、面談で同じ説明を一から繰り返さずに済みます。
塾の集客・ホームページへの影響
あります。まずは1時間ほどで、次の4つを確かめてください。Googleビジネスプロフィールの営業時間・休校日・対象の学年や教科が最新か。比較サイト・Googleマップ・ホームページで、塾名・住所・電話番号・授業の形・料金の考え方の書き方がずれていないか。ホームページの大事な情報が、チラシの画像だけになっていないか。地域の名前と「塾 おすすめ」でAIに聞いたとき、自分の塾がどう紹介されるか。
なお、今回の調査は集客のサービスを提供している会社自身の資料で、時期や方法も書かれていません。「Googleマップの整備が大事」という結論は、その会社のサービスにもつながります。この記事では、Googleの公式の説明で裏が取れる範囲だけを「やること」にしました。整えたからといって問い合わせが増えるとは言い切れませんが、保護者が調べ直したときに古い情報や食い違いを見せないことは、どの塾にも損のない準備です。
発信のネタとして使えるか
使えます。ただし「AIで塾を探す時代」という話題そのものを保護者に向けて書くより、調べ直しに来た保護者が読むページを厚くするほうが効きます。
たとえば「この塾を選ぶ理由」「どんな生徒に、どんな指導をしているか」「季節講習の日程と時間」を、画像ではなく文章で書く。書いた内容は、Googleビジネスプロフィールの説明や投稿、比較サイトの紹介文とも同じ言葉にそろえておくと、どこで読まれても同じ塾として伝わります。
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